【昼下がりの保健室】
「琥太にぃ、匿って?」「お前、またかよ……。」
【昼下がりの保健室】
「だって、面倒でしょ?」
「仕事だろう。面倒とか言うな。」
「琥太にぃには言われたくないよ。」
軽く窘めても取り合う気は無いらしく、郁は軽やかに笑っている。
郁は笑顔のままコツコツと足音を響かせて歩いて来ると、琥太郎が座っている仕事用の椅子の肘掛けに浅く座る。
「それにここは居心地がいいんだ。」
「………。」
(そんな事言われたら怒り難いじゃないか)
そんな事を考えながら見やると、郁は目を細めて窓の外を眩しそうに眺めている。
「……暫くしたら直獅の所戻れよ。」
「うん。ありがとう琥太にぃ。」
にこっと無邪気な笑顔を見せる郁に、少しの間見惚れていると、ふいに郁の目が細められ、軽く唇と唇が重なった。
「!!」
それがキスだと気付いた時には、既に郁の顔は離れていた。
「さて、ちょっと昼寝でもしようかな。」
郁は何事もなかったかのように、ベッドのカーテンを開け、布団の中に入っていった。
「おやすみ、琥太にぃ。」
「お、おやすみ…。」
(今の、なんだったんだ!?)
その後暫く琥太郎は仕事にならなかったという。
END.
~おまけ~
翼「ぬぉっ!素足隊長ともじゃめがねがキスしてたぞ~!」
梓「っていうか、水嶋先生確実にこっちに気付いてたよね。」
翼「ぬぬぅ~。見せ付けたかったのか、もじゃめがねめ!!」
梓「だろうね。……言い触らす?」
翼「よしっ!!じゃあ、ぬいぬいに言いに行こう!!」
梓「冗談だよ。ばか。」